発電機の容量はどう選ぶ?kVA・kW・力率・電圧と計算方法を解説

トップページ > お役立ちコラム > 発電機の容量はどう選ぶ?kVA・kW・力率・電圧と計算方法を解説

発電機の容量はどう選ぶ?kVA・kW・力率・電圧と計算方法を解説

発電機の容量は、使用する機器の消費電力(kW)を単純に合計するだけでは決まりません。

カタログに記載されている容量はkVAで表示されることが多く、kVA = kW ÷ 力率で換算したうえで、モーターの起動電力や同時使用の条件を加える必要があります。

この記事では、kW・kVA・力率の関係から必要容量の計算手順、10kWの機器を動かす場合の考え方、電圧や単相・三相の確認点、車載発電機を選ぶ際のポイントまでを順に解説します。

現場や車両で使用する発電機を選定する際の判断材料としてご活用ください。

 

発電機の容量を決めるkW・kVA・力率とは

発電機の容量はkVA(皮相電力)で表示され、使用する機器の消費電力はkW(有効電力)で表示されます。

この2つは力率によって結ばれており、関係を理解しておくことで必要な容量を正しく判断できます。

ここでは、kVAとkWの違いと力率の考え方を整理します。

発電機のkVAとkWの違い

kVAは皮相電力の単位で、発電機が供給できる容量の大きさを表します。

カタログや仕様書では、25kVA、45kVA、100kVAのように表記されます。

一方のkWは有効電力の単位で、照明の点灯やモーターの回転など、実際の仕事に使われる電力を表すものです。

使用する機器側の消費電力はkWやWで記載されることが多く、発電機側の容量表示とは単位が異なります。

ここで注意したいのが、kVAとkWは同じ値ではなく、力率を用いて換算する必要があるという点です。

単位を混同したまま数値を合計すると、実際には容量が不足する場合があります。

発電機の力率とは

力率とは、発電機が供給する皮相電力(kVA)のうち、実際の仕事に使われる有効電力(kW)の割合です。

力率 = kW ÷ kVAで表され、1.0に近いほど電力が無駄なく使われている状態を示します。

発電機側にも定格力率が定められており、一般的に三相交流発電機は0.8、単相交流発電機は1.0として扱われます。

三相25kVAの発電機であれば、取り出せる有効電力は25×0.8=20kWが目安です。

一方、負荷側の力率は機器によって異なります。

ヒーターや白熱灯などの抵抗負荷は1.0に近く、モーターやコンプレッサーなどの誘導負荷は1.0を下回る傾向があります。

そのため容量を検討する際は、発電機の定格力率と、使用する機器の力率の両方を確認する必要があります。

 

発電機の必要容量を計算する方法

発電機の必要容量を計算する方法

発電機の必要容量は、使用する機器の確認から始め、kVAへの換算、モーターの始動容量、同時使用の条件という順で検討します。

ここでは、現場で見落としやすい点を含めて、4つの手順に分けて解説します。

1.使用する機器の出力・電流・台数を確認する

最初に行うのは、発電機につなぐ機器の情報を一覧に整理する作業です。

確認する項目は次のとおりです。

  • 機器名と台数
  • 使用電圧(単相100V・単相200V・三相200Vなど)
  • 消費電力(kWまたはW)または定格電流(A)
  • 同時に使用するかどうか

これらの数値は、本体の銘板やメーカーの仕様書で確認できます。

注意したいのがモーターの表示で、銘板のkWは軸から取り出す定格出力を示しており、電気の入力とは一致しません。

モーターを使用する場合は、kWの数値だけで判断せず、定格電流もあわせて確認します。

2.kWと力率から必要なkVAを求める

使用する機器の合計kWが分かったら、力率で割ってkVAへ換算します。

計算式はkVA = kW ÷ 力率です。

例えば、同時に使用する機器の合計が8kW、力率が0.8であれば、必要な容量は8÷0.8=10kVAとなります。

機器の仕様に消費電力ではなく定格電流(A)が記載されている場合は、電圧と電流から皮相電力を求めます。

単相はkVA = 電圧×電流÷1000、三相はkVA = √3×電圧×電流÷1000で計算します。

三相200Vで30Aの機器であれば、1.732×200×30÷1000=約10.4kVAです。

ここで求めたkVAは運転時の目安であり、この値だけで機種を決めるわけではありません。

3.モーターの起動時に必要な容量を確認する

モーターやコンプレッサーなどの誘導負荷は、始動した瞬間に定常運転時を大きく上回る電流が流れます。

誘導電動機の始動時には定常時の6倍以上の電流が流れるとされており、発電機にはその瞬間を支える容量が求められます。

直入れ始動の場合、始動に必要な容量は1kWあたり7kVA程度を見込む考え方があります。

この目安に当てはめると、3.7kWのモーターを直入れで始動する場合はおよそ26kVAが必要という計算になります。

スター・デルタ始動を採用すると、発電機から見た始動電流は直入れ始動のおおむね3分の1に抑えられます。

始動方式によって必要な容量が変わるため、機器側がどの方式かを選定前に確認しておきましょう。

容量が不足すると、電圧が大きく低下してモーターが始動できない、照明がちらつく、他の機器が停止するといった不具合につながります。

4.複数機器の同時運転と始動順序を確認する

複数の機器を使用する場合でも、すべての容量を単純に合計する必要はありません。

実際に同時運転する機器だけを合計し、運転時の合計容量と、最も大きい機器を始動したときの容量を比べて、大きい方を基準に選定します。

また、始動の順序を分けることでも必要な容量を抑えられます。

容量の大きいモーターを最初に始動し、その後に他の機器を立ち上げれば、始動時の大きな電流が重なりません。

複数のモーターを同時に始動する運用が避けられない現場では、その条件を前提に容量を検討します。

日常の運転パターンを整理しておくと、過大な容量の機種を選んでしまうことも防げます。

 

10kWの場合は何kVAの発電機が必要?

力率0.8の負荷を想定する場合、10kWを連続して使うには12.5kVA以上の容量が目安です。

ただし、モーターを含む設備では始動時にさらに大きな容量が必要になるため、この数値だけで機種を決めることはできません。

10kWをkVAへ換算する計算例

10kWをkVAへ換算するには、10を負荷の力率で割ります。

力率別の換算結果は次のとおりです。

負荷の力率 運転時に必要な容量
1.0 10kVA
0.9 約11.1kVA
0.8 12.5kVA

同じ10kWでも、力率の違いによって必要な容量は2割以上変わります。

発電機の定格力率は三相で0.8として扱われることが多いため、10kWの負荷を連続して使用するには12.5kVA以上が運転時の目安となります。

ヒーターなどの抵抗負荷は力率が1.0に近く10kVA前後で収まりますが、誘導負荷が含まれる場合は0.8で計算しておくと不足を避けられます。

モーターなどを動かす場合は10kWだけで判断しない

10kWという数値だけで機種を選ぶと、容量が足りなくなる場合があります。

モーターを含む設備では、運転時の12.5kVAではなく、始動時に必要な容量が選定の基準になります。

直入れ始動の目安である1kWあたり7kVAで計算すると、10kWのモーターには70kVA前後の容量が必要という結果になります。

同じ10kWでも、抵抗負荷だけを使う場合とモーターを始動する場合では、選ぶべき機種が大きく変わります。

機器の内訳と始動方式を確認したうえで判断しましょう。

 

発電機の電圧・単相・三相も確認する

発電機を選ぶ際は、容量だけでなく、出力する電圧と相数(単相・三相)もあわせて確認します。

容量が足りていても、使用する機器が必要とする電圧や相数に対応していなければ運転できません。

発電機の100V・200Vなどの電圧を確認する

現場で使用される発電機の出力電圧は、単相100V、単相200V、三相200Vが中心です。

まず使用する機器の銘板に記載された定格電圧を確認し、発電機の出力電圧と一致しているかを照らし合わせます。

定格電圧が合わない機器を接続すると、正常に動作しないだけでなく、機器の故障につながる場合があります。

必要な電圧の出力端子やコンセントが備わっているかも、仕様表で確認しておきましょう。

単相と三相の違いも確認する

単相は1系統の交流で電気を送る方式で、照明や電動工具など比較的小さな機器に使われます。

三相は位相をずらした3系統の交流を組み合わせる方式で、大型ポンプや工場設備など、動力用モーターの駆動に用いられます。

同じ200Vでも単相200Vと三相200Vは別物であり、三相の機器を単相の電源につないで動かすことはできません。

三相発電機で単相の機器も使用する場合、単相側から取り出せる容量は定格容量の全量ではなく、機種によって異なります。

単相と三相を同時に使用する予定がある場合は、それぞれの出力容量を仕様表で確認します。

 

業務用・車載発電機の容量選びで確認したいポイント

業務用や車載発電機では、計算で求めた容量に加えて、現場での使い方や車両側の条件も選定に関わります。

ここでは、カタログの数値だけでは判断しきれない確認ポイントを整理します。

発電容量だけでなく実際の使用条件から選ぶ

同じ容量でも、稼働時間や設置環境によって適した機種は変わります。

連続して運転する時間、燃料タンクの容量、騒音への配慮が必要な現場かどうかを整理しておきます。

定格出力の上限近くで使い続ける運用は避け、余裕をもった容量を選ぶと、機器の安定した稼働につながります。

今後使用する機器が増える予定があれば、その分も見込んでおきましょう。

車載発電機では車両条件もあわせて確認する

車載発電機の場合は、容量だけでなく車両側の制約もあわせて確認します。

PTOから力をもらうため、PTOの仕様や発電機、操作盤の設置位置、架装後の積載量や重量バランスが、現場での使い勝手を左右します。

ナガイ製作所では車載専用発電機を自社で設計・製造しており、操作盤の設置位置の指定やエアー取り出し装置の追加など、使用条件に合わせた受注生産に対応しています。

 

発電機の容量に関するよくある質問

発電機の容量に関するよくある質問

発電機の容量を検討する際に問い合わせの多い3つの疑問について、要点をまとめます。

Q. 1kVAは何kWですか?

  1. 力率によって変わり、力率0.8なら1kVA = 0.8kW、力率1.0なら1kVA = 1kWとなります。

三相の発電機は力率0.8として扱われることが多いため、1kVAあたり0.8kWを目安に考えます。

Q. 10kWなら10kVAの発電機で使えますか?

  1. 力率0.8の負荷では容量が不足します。

運転時だけでも12.5kVA以上が必要で、モーターを始動する場合はさらに大きな容量が求められます。

抵抗負荷のみで力率が1.0に近い場合に限り、10kVA前後で対応できます。

Q. 発電機の容量と電圧は別に確認する必要がありますか?

  1. 容量と電圧・相数は別々に確認する必要があります。

容量が足りていても、機器の定格電圧や単相・三相の区分が合っていなければ運転できません。

仕様表で両方を照らし合わせて選定しましょう。

 

まとめ

発電機の容量は、使用する機器の消費電力(kW)を力率で割ってkVAへ換算し、モーターの始動時に必要な容量と同時使用の条件を加えて決定します。

力率0.8の負荷では10kWに対して12.5kVA以上が運転時の目安となり、モーターを含む設備ではさらに大きな容量が必要です。

あわせて、出力電圧と単相・三相の区分が使用機器と一致しているかも確認します。

現場での稼働時間や車両側の条件まで含めて判断すると、過不足のない機種を選べます。

操作盤の設置位置や車載発電機の容量選定・仕様についても、ナガイ製作所までお気軽にご相談ください。

 

お役立ちコラム一覧に戻る

CONTACTお問い合わせ
当社サービスや、その他ご質問などお気軽にお問い合わせください。
古物商許可証
大阪府公安委員会 第62221R055298
株式会社ナガイ製作所